2008年度 伊藤滋賞

正木 和美



yadokari

都市と海の狭間に澄む



“今、海に必要なものは何だろうか。”私の卒業制作は、海をもっと魅力的な空間にしたいという想いから始まった。海の家、それは毎年夏になると突如海岸に現れる仮設建築である。従来、不衛生で粗雑なイメージの強い海の家であるが、海をドラマティックに演出するものに進化する。見た目はヤドカリのよう、砂浜を自由自在に動き回り、時には形を変え、ヤドカリが自分の成長に合わせて貝殻を変えていくようにこの海の家も四季、光、風、天候、人などあらゆるものを感じ変化しながら、都市と海の狭間に生きる